採択課題 【詳細】
jh230015 | 水環境総合評価システムによる水環境評価のための標準化プラットフォーム構築 |
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課題代表者 | 松崎義孝(国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所港湾空港技術研究所 海洋環境制御システム研究領域 海洋汚染防除研究グループ) Matsuzaki Yoshitaka (National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology Port and Airport Research Institute Marine Environment Control System Department Marine Pollusion Management Group) |
概要 |
背景 沿岸域では様々な開発行為が行われており、数値シミュレーションによる水環境への影響の評価が非常に重要となっている一方で、水環境数値シミュレーションモデルはまだ研究発展段階にあり、環境影響評価を行うための統一的なモデルが存在しない。そのような状況ではモデルの構成やシミュレーション実施者の力量によって結果が大きく異なる可能性がある。即ち、実現象を数値シミュレーションで適切に再現できない可能性があり、事業実施後に地域住民や漁業者の反感を招きかねない。 そこで、応募者らが開発した水環境の再現や予測を行うことの可能な水環境数値シミュレーションモデルとプリポスト処理システム、パラメータ調整システムやデータ同化システムを含めた流動生態系シミュレーションシステム:Ecological hydrodynamic simulation system by PARI、通称「EcoPARI」の活用が期待される。EcoPARIは、これまで一般的にモデル化されてきた植物プランクトン→動物プランクトンという低次食物連鎖だけでなく、動物プランクトン→魚といった高次食物連鎖やデトリタス→細菌といった腐食連鎖をもモデル化しており、他の水環境数値シミュレーションモデルにはない特徴を持つ。よって、EcoPARIは国土交通省を中心に、行政から信頼性の高いモデルとして評価されている。 課題1 EcoPARIの数値モデルは高度であるが故、民間建設コンサルタントが使用している水環境数値シミュレーションモデルよりも計算機能力を必要とする。環境影響評価を行うのは国・自治体から環境影響評価の実施を委託される建設コンサルタントである。建設コンサルタントの多くは大型計算機を所有していないため、EcoPARIによる検討が困難な場合が多い。 課題2 水環境をシミュレーションするための生態系モデルは、多くの設定すべきパラメータがあり、それらを客観的に決定する手法がないため、ともすると誤った条件設定になりかねない恐れがある。よって、応募者はデータ同化と遺伝的アルゴリズムという手法で、パラメータを客観的に決定するためのシステムをEcoPARIに組み込んでいる。しかしながら、パラメータ調整システムは大規模アンサンブル計算(データ同化)、あるいは大量の繰り返し計算(遺伝的アルゴリズム)が必要であり、効率的に研究を進めるためには大型計算機を活用したパラメータ調整システムの構築が必要である。 目的 以上のような背景を踏まえ、本研究では基盤となるEcoPARIを開発してきた国研、環境分野の技術開発を得意とする建設コンサルタント、高速化を得意とする大学・ソフトウェア開発会社を含めた学際的共同により、水環境数値シミュレーションを実施するマルチプラットフォームを形成する。 |
報告書等 | 研究紹介ポスター / 最終報告書 |
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