採択課題 【詳細】
jh220032 | 原子力気液二相流体解析における界面捕獲手法の高度化 |
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課題代表者 | 杉原健太(国立研究開発法人日本原子力研究開発機構) Kenta Sugihara |
概要 |
原子力工学分野の多相流体解析は、構造物と気液界面の相互作用に起因する複雑な流動形式を捉えたマルチスケール現象の計算が必須となる。そのような大規模解析の実現に向けて日本原子力研究開発機構(JAEA)では、スパコンを活用した数値流体力学(CFD)解析手法JUPITER[参考文献1]の開発、および、その計算速度のボトルネックとなる圧力Poisson解法の高速化[昨年度のJHPCN課題]を実施してきた。その研究成果としてCPUスパコンを用いた1mm格子解像度のバンドル体系の多相流体解析、更にGPUスパコンを用いた高速化により0.6mm格子解像度の解析を実現した。しかしながら、以上の解析においても、実験結果[Ren et al., Meas. Sci. Technol., 2018]のボイド率を定量的に再現できておらず、更なる高解像度化と気液界面モデルの高精度化が必要となっている。 上記課題に対して、今年度のJHPCN課題では、従来の界面の対流項からなる気液界面モデル(THINC/WLIC法)と比較して、界面方向への逆拡散によって数値拡散を抑えることが可能なフェーズ・フィールド法、およびその発展系であるマルチ・フェーズ・フィールド法を適用することで、気液界面捕獲手法を高精度化する。以上の開発により、原子力分野の熱流動解析や産業応用分野の冷却システム等、多数の気泡を含む工学問題における多相流体解析の高精度化が期待できる。
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報告書等 | 研究紹介ポスター / 最終報告書 |
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