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採択課題 【詳細】

EX24501 実コンクリート構造物の長期耐久性評価 -高分子バリア層を表面に有するコンクリート中の確率的低分子拡散シミュレーション-
課題代表者 石田 崇人(名古屋大学 高等研究院)
概要

鉄筋コンクリート構造物中を拡散する低分子(塩化物イオン,CO2O2など)が内包された鉄筋に到達すると鉄筋腐食を起こす.鉄筋腐食現象は構造物の耐荷性能に大きく影響するため,腐食開始時期が実質的な構造物寿命と言える.多くの建築物は高分子を構成要素とするバリア塗膜を有するが,そのバリア層と鉄筋を包んでいるかぶりコンクリートを通過し,鉄筋表面に到達した低分子が腐食反応を駆動する.鉄筋腐食時期を適切に予測するには,長期暴露による高分子バリア層の劣化を考慮に入れて拡散現象をモデル化する必要がある.研究課題代表者は建設系分野のバックグラウンドを有し,これまでは主に建設用高分子材料の劣化に関する新規知見を報告してきた.副代表者は確率過程に基づく拡散現象の計算物理を得意とする.本研究課題では粗視化分子動力学やKinetic Monte Carlo法のような計算物理学的手法を駆使して,表面保護塗膜を有するRC構造物の真に実効的な寿命の推定に挑む.

報告書等 研究紹介ポスター / 最終報告書
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