学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点

採択課題 【詳細】

EX24404 流体解析に基づく土のマクロ・ミクロな接触角の仕組みの解明
課題代表者 澤田 茉伊(東京工業大学 環境・社会理工学院)
概要

人類の生活圏にある地盤は,土粒子と間隙内の水・空気の三相からなる不飽和土である。降雨による堤防や斜面の崩壊は,浸潤に伴って表面張力に由来した土の強度が低下することが原因である。本課題は,土の保水・強度に大きく寄与する土粒子-水-空気の界面の接触角の力学の構築をビジョンに描く研究である。従来,Sessile drop test(SDT)により,並べた土粒子群に滴下した水の角度(マクロな接触角)を測り,実測不可能な土粒子表面の接触角(ミクロな接触角)と等価としてきた。しかし,この仮定には十分な根拠がなく,マクロな接触角とは乖離が予想される。そこで,本課題ではSDTを流体解析で再現し,ミクロな接触角を入力値としたときのマクロな接触角を計算し,マクロ-ミクロな接触角の関係を力学的に明らかにする。さらに両接触角の関係式を導出し,ミクロな接触角を評価する手法を提案する。ミクロな接触角は,土粒子レベルの保水・変形解析の精度を支配するモデルパラメーターである。微小な土の間隙内の水の移動を解析し,定性的な理解に留まる接触角を力学的に明確にし,評価法を提案することで,地盤挙動の予測精度の向上に寄与する基礎研究である。

報告書等 研究紹介ポスター / 最終報告書
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