学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点

採択課題 【詳細】

EX24306 次世代銀河分光観測に向けた銀河分布フィールドレベル解析の検証と確立
課題代表者 大里 健(千葉大学 先進科学センター)
概要

宇宙物理学における根源的な問題であるダークマター・ダークエネルギーの正体、そして加速膨張の物理的な機構を探るため、大規模な銀河分光観測計画が予定されている。従来の解析では、観測された三次元銀河分布から、その情報を要約する統計量を用いて宇宙モデルを推定する。しかしながら、統計量は銀河分布の持つ情報の一部しか取り入れられず、統計量で表現できない高次の情報は失われてしまう。そこで、本研究では観測された銀河分布の場が持つ情報の全てを考慮するフィールドレベル解析に着目する。我々は理論計算のボトルネックとなっていた多数回のフーリエ変換をGPUによって高速化し、入力パラメータに対する勾配を自動で計算する自動微分を実装したDifferentiable GridSPTという物質分布の非線形重力進化を計算するコードを開発した。本研究課題ではこのコードを用いて、数値シミュレーションの結果を用いて、フィールドレベル解析を実行することで手法の妥当性を検証する。加えて、実際に観測される銀河分布の進化を解析的に取り扱う銀河バイアス展開法を実装し、より現実的な状況下におけるフィールドレベル解析を実装する。

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