2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(マグニチュード9)は甚大な地震災害・津波災害をもたらした。そのため、この地震の詳細な断層破壊過程を明らかにして強震動・津波の生成メカニズムを考察することが重要な研究課題となっている。このことは、同様の海溝型巨大地震による強震動や津波による強震動や津波の規模を評価する基盤的な知見となる。我々はこのような課題に取り組むために大規模地震波・津波伝播シミュレーション手法(時間領域差分法FDTD: Finite-Difference Time Domain)の開発を進めてきた。平成25年度は構造モデル改良手法の高度化(波動場に関する摂動カーネルの計算)、東北沖地震の破壊過程の推定、地震波・津波の統合計算という項目を主な目的として研究を行う。