採択課題 【詳細】
jh240048 | デトネーションエンジンの排気流による超音速乱流現象に関する数値解析 |
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課題代表者 | 松尾亜紀子(慶應義塾大学理工学部) Akiko Matsuo (Department of Mechanical Engineering, Keio University) |
概要 |
本課題研究では,デトネーションの熱機関への応用を見据え,デトネーション燃焼器内部および排気流の流体-化学反応連成問題について大規模数値解析を行い,詳細な現象解明を行うことを目的とする。 デトネーションとは衝撃波を伴いながら超音速で伝播する燃焼波であり,近年デトネーションを熱機関に応用する試みが加速している.例えば,回転デトネーションエンジン(Rotating Detonation Engine, 以下RDE)は,デトネーションを円筒状の燃焼器内に発生させ,燃焼器の周方向に回転伝播させることによって推力を得る仕組みであり,ロケットエンジンへの応用が検討されている.また,現在提案されているデトネーションエンジンは,ロケットエンジンへの応用例が主であるが,近年エアブリージングエンジンの一部に適用する提案も増加している.エアブリージングエンジンは,ロケットエンジンとは異なり搭載する酸化剤の大幅な削減が可能であり,ロケットエンジンよりも高い輸送効率を実現できる.デトネーションの高温高圧かつ高い燃焼効率といった特性をエアブリージングエンジンにも活用することで,デトネーションのさらなる汎用性向上が期待できる. 一方で,デトネーションエンジンの燃焼器内で生じる現象は複雑かつ高速であり,実験で詳細に捉えることは非常に困難である.また,エアブリージングエンジンで必要となる高速な流入空気を実験で再現するためには,大規模な設備が必要となる.以上の背景から,デトネーションのエアブリージングエンジンへの応用例を具体的に実験で確立した例は少ない.よって,デトネーションのエアブリージングエンジンへの適用可能性検討のためには,数値解析を用いた現象の詳細分析を行うことが必要不可欠である.また,デトネーションや超音速乱流燃焼場の解析には衝撃波や大規模乱流構造を正確に捉える必要があるため,三次元性が無視できず,大規模かつ高解像度の解析が求められる. 本課題研究を通し,デトネーション燃焼器の排気流と超音速流が干渉する非定常燃焼流を正確に観測するだけでなく,大規模かつ高精度な乱流燃焼場に関する数値シミュレーション技術を確立する.特に,デトネーション燃焼器外部の排気流と超音速流が干渉する燃焼流を解析することで,当該分野における数値解析技術の信頼性向上を目指し,デトネーションの新たな工学的応用例の提案へと繋げたい. |
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