学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点

採択課題 【詳細】

jh240039 データ駆動科学ソフトウェア・表面解析シミュレーションの高速化技術研究
課題代表者 工藤周平(電気通信大学大学院 情報理工学研究科)
Shuhei Kudo (Graduate School of Informatics and Engineering, The University of Electro-Communications )
概要

2次元物質とは原子数層の厚みしかない結晶表面構造であり,結晶そのものとは異なる機能を有するため,次世代電子デバイスや触媒開発などへの応用が期待されている.TRHEPDは陽電子線を結晶表面に当てた反射回折パターンを測定する技術であり,表面感度の高く,結晶表面構造解析に適しているが,実験データから直接結晶構造を逆算することが困難という問題があった.そこで実験データと計算モデルによるシミュレーションとを組み合わせ,データ駆動科学の手法を用いた結晶構造探索を行うことが検討されている.
本研究では,計算手法の詳細を知らないユーザーであっても,簡単かつ即座に信頼に足りる統計解析結果を得られるシステムを構築することを目的に,次の2項目に取り組む.1) 結晶構造探索が多数の候補結晶構造に対するシミュレーションを同時並列に実行するものとなっていることに着目し,シミュレーションの高スループット化による全体高速化に取り組む.具体的には,結晶表面回折シミュレーションアプリsim-trhepd-rheedに対し,バッチ型計算のためのインターフェースを設計,またGPUなどの並列性能の高い計算機を活用するための設計変更を行う.2) データ駆動科学ソフトウェア2DMATへAutoTuning技術の適用を行う.とくに,2DMATにが持つデータ解析アルゴリズムの一つPAMC法を対象に,実行時間の外挿的予測と信頼性尺度の構築を行い,AutoTuningに活用することで,統計精度を確保しつつ高速な探索を実現する.

関連Webページ
報告書等 研究紹介ポスター / 最終報告書
業績一覧 (1) 学術論文 (査読あり)
[] Yusuke Sato, Yuki Fukaya, Akito Nakano, Takeo Hoshi, Chi-Cheng Lee, Kazuyoshi Yoshimi, Taisuke Ozaki, Takeru Nakashima, Yasunobu Ando, Hiroaki Aoyama, Tadashi Abukawa, Yuki Tsujikawa, Masafumi Horio, Masahito Niibe, Fumio Komori, Iwao Matsuda, Surface structure of the <mml:math xmlns:mml="http://www.w3.org/1998/Math/MathML"><mml:mrow><mml:mn>3</mml:mn><mml:mo>×</mml:mo><mml:mn>3</mml:mn><mml:mtext>-Si</mml:mtext></mml:mrow></mml:math> phase on Al(111), studied by the multiple usages of positron diffraction and core-level photoemission spectroscopy, Physical Review Materials, 9 (1)
(2) 国際会議プロシーディングス (査読あり)
該当なし
(3) 国際会議発表(査読なし)
該当なし
(4) 国内会議発表(査読なし)
[] 星健夫, 寺地雄真, 中野陽斗, L. Gao, H. Ji, 境健太郎, 富岳による高次元ベイズ推定と実験室宇宙物理学への応用, プラズマ・核融合学会 年会, 招待講演, 2024 年 11 月 18 日.
[] 中野陽斗, 星健夫, 高草木達, データ解析フレームワーク2DMATを用いたPTRF-XAFS計測のベイズ推定, 第134回触媒討論会, 2024年9月20日.
[] 中野 陽斗, 星 健夫, 高草木 達, データ解析フレームワーク 2DMAT による PTRF-XAFS 計測のベイズ推定, 第72回応用物理学会春季学術講演会, 2025年3月17日.
[] 長井元輝, 工藤周平, cuBLASを用いた全反射高速陽電子回折シミュレーションのGPU化, 第199回ハイパフォーマンスコンピューティング研究発表会, 2025年5月12日.
(5) 公開したライブラリなど
該当なし
(6) その他(特許,プレスリリース,著書等)
該当なし
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