学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点

採択課題 【詳細】

jh240013 線状降水帯の気象場変化に対する応答の解明: WRFアンサンブル計算を用いて
課題代表者 平賀優介(東北大学工学研究科土木工学専攻)
Yusuke Hiraga (Tohoku University / Grasuate School of Engineering)
概要

近年毎年のように線状降水帯が発生し,記録的な被害につながっている.更に将来の気候変動により,豪雨の強度や頻度が更に増加する傾向が想定されており,その傾向は特に東北・北海道などのこれまでの発生事例が限られる地域において顕著である.そのため過去の観測の外挿ではなく,物理モデルを用いて想定最大規模の降雨シナリオの推定を実施し,それに対して事前に治水対策を実施することが期待される.しかし,申請者らの研究やその他既往研究によって線状降水帯は環境場の変化に非常に敏感に応答することがわかっており,最大規模の推定が難しい.また,線状降水帯の再現計算に関する知見はいまだ不足しており,正確なシミュレーションが困難である.これらの課題を解決するため,多数のアンサンブル数値気象計算が必要となるが,計算コストの観点から実現が難しい.そこで本課題では,WRFモデルによる豪雨シミュレーションの高速化と,様々な気象環境場の変化を数値計算に組み込むアンサンブルデータ同化モジュールの開発を目的とする.高速化したWRFモデルと開発したモジュールを基に,水蒸気流入の経路・量・空間分布が線状降水帯に与える影響の定量化に挑戦し,東北地方において想定最大規模の降雨シナリオを推定することを目標とする.

報告書等 研究紹介ポスター / 最終報告書
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