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採択課題 【詳細】

jh230050 回転デトネーションエンジンにおける燃焼器サイズ効果に関する数値解析
課題代表者 松尾亜紀子(慶應義塾大学理工学部機械工学科)
Akiko Matsuo (Department of Mechanical Engineering, Keio University)
概要

本課題研究では,デトネーションの熱機関への応用を見据え、回転デトネーションエンジン内部の流体-化学反応連成問題について大規模数値解析を行い,詳細な現象解明を行うことを目的とする。特に,回転デトネーションエンジンの燃焼器サイズの変化がデトネーションの伝播形態や推進性能に対して与える影響を明らかにすることで,より現実に即したスケールでの燃焼器設計が可能となるよう貢献する.

回転デトネーションエンジン(Rotating Detonation Engine, 以下RDE)とは,超音速燃焼であるデトネーションを二重円筒状の燃焼室内に発生させ,燃焼器の周方向に回転伝播することによって推力を得るエンジンであり,ロケットエンジンへの応用が検討されている.RDEでは,デトネーションの特徴である強い圧縮作用により,一定断面積の燃焼器中で推進剤を音速近くまで加速可能である.よって,従来の推進システムであれば高推力を獲得するために必要であった,先細ノズルやスロートを簡略化できると期待され,近年多くの研究が行われてきた.一方で,燃焼器内で生じる現象は複雑かつ高速であり,実験で詳細に捉えることは非常に困難である.よって,RDEの実用化に向け,数値解析を用いた現象の詳細分析を行うことが必要不可欠である.また,RDEでは三次元性が無視できず,実際の燃焼器開発に適用できる知見を得るためには,燃料と酸化剤の混合およびデトネーションによる燃焼を正確に捉える必要がある.そのため三次元かつ高精度な解析が求められる.

本課題研究では,二重円筒の内径のサイズ効果に着目し,流体-化学反応連成問題について大規模数値解析を行うことで,ロケットエンジンへの応用を見据えた大規模スケールでの燃焼器設計に貢献する.また,本課題研究を通して数値解析技術の信頼性向上を目指し,RDE内部を伝播するデトネーションに対するさらなる大規模解析へと繋げたい.

報告書等 研究紹介ポスター / 最終報告書
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