学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点

採択課題 【詳細】

jh230048 SINETを介したデータベース基盤とHPC基盤の連携による医療画像解析基盤実現に関する研究
課題代表者 村尾晃平(国立情報学研究所・医療ビッグデータ研究センター)
MURAO Kohei (National Institute of Informatics / Research Center for Medical Bigdata)
概要

本研究の目的は、SINET を介したデータベース基盤とHPC 基盤の連携による医療画像解析基盤実現に必要な手法を開発し、実際の医療画像を用いた診断支援システムの実現を図ることである。JHPCN において重要とされる、計算基盤、データベース基盤、ネットワーク基盤の3 つの基盤を連結し、AI/機械学習のための医療画像向け画像解析基盤の実現を目指す。

本研究では、医療画像データを収集して格納するNII のクラウド基盤と、豊富な計算資源を保有する名古屋大学の情報基盤センターの両基盤を連携する。クラウド基盤に格納しているデータは医療画像ビッグデータであり、コピーや移動は容易ではない。さらに、医療系学会との契約上、クラウド基盤の外に持ち出すことはできない。したがって、クラウド基盤にあるデータを機械学習計算に利用するためには、外部の計算資源とネットワークを介して接続する必要がある。その際、扱うデータの機微性に照らして、データセキュリティの確保など医療画像データならではの技術的課題を克服しなくてはならない。

当該年度においては、(1) NII クラウド基盤とスーパーコンピュータとの基盤連携方式検証、(2) 基盤連携におけるアーキテクチャ最適条件検証、(3) 基盤連携を利用した医療画像AI モデル構築の3つを実施する。

2023年度の成果:(1)についてはデータをクラウド基盤の外に残さないというポリシーで具体的に名古屋大学の計算機群「不老」との基盤連携を設計し、実際に構築した。(2)については、ネットワーク遅延の測定の他、オープンソースのAI-bnechmarkを利用したデータ転送時間の測定、CT画像を用いた学習・テストの速度性能測定を行い、ネットワークの一時的な遮断に対する耐性の実験を行った。その結果、AI開発に支障がなさそうとの見通しが立った。(3)については継続中である。また、名古屋大以外のHPC基盤、例えばmdx、との連携については、計算機利用の仕組みが大きく異なるため、基盤連携の設計を新たに作る必要があることがわかった。

報告書等 研究紹介ポスター 最終報告書
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