学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点

採択課題 【詳細】

jh230022 深層学習を用いた医用画像処理の信頼性向上に関する研究
課題代表者 小田昌宏(名古屋大学・情報連携推進本部情報戦略室)
Masahiro Oda (Nagoya University・Strategy Office, Information and Communications)
概要

本研究では、スパコンを活用した不確実性解析を行い、深層学習を用いた医用画像処理の精度向上と信頼性向上を目指す。

医用画像処理は近年の深層学習などの技術発展に伴い急速に高性能化が進んだ分野である。深層学習を用いることで医師に匹敵する判断能力を持つ診断支援システムが実現している一方、深層学習を用いた処理の判断根拠が人間にとって解釈しにくい(ブラックボックス的である)ことが問題となり、医師や患者が支援システムを信頼せず利用を避ける場合がある。そのため深層学習を用いた医用画像処理の判断根拠を人間にとって解釈可能な形とする必要がある。

深層学習を用いた処理を人間にとって解釈可能とする方法として不確実性解析がある。不確実性解析は、深層学習モデルのパラメータ、学習過程、データなどに様々な摂動を与えてモデルの判断の揺らぎを解析することで、深層学習モデルの判断の揺らぎの程度や学習の十分さ/不十分さを明確化し、判断の信頼性の向上に貢献する。さらに不確実性解析の結果を利用して深層学習モデルの精度向上も可能である。しかし不確実性解析を行うためには、深層学習モデルによる学習処理や推定処理を非常に多く実行する必要があり、多くの計算資源を必要とする。

そこで本研究では、スパコンを活用した不確実性解析により、深層学習を用いた医用画像処理の精度向上と信頼性向上を目指す。本研究の成果は深層学習を用いた全ての医療支援システムの精度向上と信頼性向上に貢献し、医療における医師不足などの問題解決に貢献する。具体的には下記の2つの研究テーマに取り組む。

  1. COVID-19診断支援を目指した胸部CT画像処理
  2. 外科手術支援を目指した術中動画像のシーン認識

報告書等 研究紹介ポスター / 最終報告書
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