学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点

採択課題 【詳細】

jh230019 内部自由度を持つ粒子群と乱流の相互作用に関する大規模シミュレーション
課題代表者 渡邊威(名古屋工業大学・工学研究科)
Takeshi Watanabe (Graduate School of Engineering, Nagoya Institute of Technology)
概要

粒子懸濁液の流れやポリマー混入流,金属微粒子の精製過程,微小気泡や液滴を伴った流体機器内の流れ,河川流中の掃流砂輸送などの複雑混相流れの問題は,扱う対象や目的は互いに異なっていても,粒子に働く流体力のモデル化や計算手法,データ解析手法など共通する部分が多い.また,これらの問題に横たわる特徴の一つに,流れ場とは無関係に決まる系固有の特性時間(相変化に伴う反応時間や高分子鎖の緩和時間など)を含有することが挙げられる.この特性時間と乱流の特性時間との大小関係によって,粒子群の振る舞いや乱流への影響は複雑な様相を示し,乱流場の構造や統計性,輸送場の揺らぎに大きな影響を与える.さらに乱流が有する強い非線形性は,速度勾配場に特異構造を誘起し,それは乱流の間欠的揺らぎの起源となる.多くの複雑混相乱流の問題は,内部自由度に対応した特性時間を有する粒子系と,特異構造で特徴づけられる乱流場の相互作用の問題に帰着することができ,問題の本質を捉えることが容易になると考えられる.
 本研究課題では,申請者が代表として採択された研究課題“多粒子分散系の乱流輸送に関する大規模シミュレーション”(2020-2022年度)における成果を踏まえ,特に,1.粒子集団によるスカラー輸送問題の高効率計算,2.乱流場の特異構造と粒子輸送の相関解明,3.粒子群と乱流の相互作用に関する高精度計算の検討,に関する研究を包括的に実施する.

報告書等 研究紹介ポスター / 最終報告書
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