学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点

採択課題 【詳細】

jh220034 素粒子物理学実験への機械学習の適用研究
課題代表者 岩崎昌子(大阪市立大学)
Masako Iwasaki
概要

 本研究課題は、大型加速器を用いた素粒子・原子核物理実験に機械学習を適用し、実験効率・実験性能を向上させ、測定精度を高めることを目的としている。研究テーマとして、1) 機械学習を用いた加速器制御、2) 機械学習を用いたデータ圧縮、および、データ較正・再構成を行った。

 テーマ1では、環境駆動型機械学習(強化学習)による加速器制御のために必要となる、加速器シミュレーターの開発を行った。敵対的生成型ニューラルネットワーク(Generative Adversarial Networks, GAN) を用いた加速器シミュレーターを開発し、モード崩壊による問題を解決するには、変分オートエンコーダ(Variational Autoencoder、VAE)を用いた次元削減の導入が有効であることを示した。

 テーマ2では、スパースセンシング技術を基盤とした、データ処理(データ削減)技術の開発を行った。具体的なアプリケーションとして、ILC 実験用電磁カロリメータの測定器データを削減し、エネルギー較正性能評価を行った。機械学習を用いてセンシングパターンを最適化することで、データが持つ本質的な情報を保持し、エネルギー較正性能の劣化を低減させることが可能であることを示した。

 以上、本研究により、重要な知見を得ることができた。

報告書等 研究紹介ポスター 最終報告書
関連Webページ
無断転載禁止