採択課題 【詳細】
jh200001-MDH | 管楽器の大規模流体音響解析 |
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課題代表者 | 髙橋公也(九州工業大学・大学院情報工学研究院) Kinya Takahashi (Kyushu Institute of Technology, Faculty of Computer Science and Systems Engineering) |
概要 |
本研究では、管楽器の発音機構の問題を、低マッハ数における流体音(空力音)の発生機構の問題として捉え、その大規模解析を行う。楽器の繊細な発音機構を再現するためには、流体と音を同時に再現可能な圧縮流体の高精度解析が必要である。流体計算の厳密解析には、Direct Numerical Simulation (DNS) が用いられるが、現実の楽器の3次元解析には、数兆を超えるメッシュ数を必要とし、時間刻みも10^-8 s以下に設定する必要がある。そのため、現在のスーパーコンピューターでは、2次元解析が限界である。DNSの次に正確な手法としてLarge Eddy Simulation (LES)がある。この場合でも、小型の管楽器の3次元モデルでは10億近いメッシュが必要であり、時間刻みも10^-7~10^-8 sに設定する必要があり、依然として大規模解析になる。 本研究では、これらの現状を踏まえ、3次元モデルのLES解析を行う。また、2次元と3次元の違いを考慮しながら、2次元モデルの厳密解析をDNSを用いて行う。これらに加え、管体の形状や音孔の開閉の違いが発音機構に与える影響を容易に解析できる遅延方程式モデルの基礎解析も行う。 これまでの研究においてLESを用いた2次元から3次元へと解析を発展させてきたが、本研究ではこれまでの研究をさらに発展させ、3次元LES解析に必要な大規模並列解析の効率化とそれに伴うプレポスト処理および可視化の問題を解決し3次元の流体音の発生機構の解析を行う。さらに、低マッハ数領域の圧縮流体の計算に必要なOpenFOAMの開発改良を行い、その成果を利用拠点に共有・提供する。また、DNSの解析では、計算の効率化、高速化の検討を行う。 |
報告書等 | 研究紹介ポスター / 最終報告書 |
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