学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点

採択課題 【詳細】

EX24601 高効率有機系太陽電池の実現に向けた光機能性分子の構造と電子物性の相関解明
課題代表者 東野 智洋(京都大学大学院 工学研究科 分子工学専攻)
概要

色素増感太陽電池は、多孔性酸化チタン電極とルテニウム色素を用いた系でエネルギー変換効率PCE = 10-12%という高い値がGrätzelらによって報告されており、次世代のエネルギー源として期待されている。しかし、ルテニウムには資源制約があり高価でもあるため、より安価で高い変換効率を示す色素の開発が求められている。ポルフィリンは400~450 nmにSoret帯と呼ばれる強い吸収と550~600 nmにQ帯と呼ばれる中程度の吸収をもち、増感色素として有望である。近年では、π共役系の拡張やプッシュ-プル構造の導入による光捕集能や電子移動特性の向上の結果、10%を超える変換効率が達成されるようになってきている。

我々の研究グループでも、様々なポルフィリン色素を設計・合成し、色素増感太陽電池性能の評価を行うことにより、10%を超える変換効率を実現してきた。特に、色素に嵩高い置換基を導入して酸化チタン表面へのレドックス対の接近を抑制することにより、電解液中のレドックス対が関与する逆電子移動を抑制し、光電変換効率の向上が可能であることを明らかにしてきた。そこで本研究では、酸化チタン表面へのレドックス対の接近を効果的に抑制するための分子設計指針を確立し、色素増感太陽電池のさらなる性能向上を目指す。

報告書等 研究紹介ポスター / 最終報告書
関連Webページ
無断転載禁止